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  • 2016年12月21日(水)

[あおトピ]新聞社の〝コーエツ(校閲)〟 地味だけどスゴイ!?

東奥日報社の校閲部。ドラマの影響で社内見学コースに追加された
東奥日報社の校閲部。ドラマの影響で社内見学コースに追加された
校閲部が字句に〝朱〟を入れた原稿。時には内容まで踏み込むことも
校閲部が字句に〝朱〟を入れた原稿。時には内容まで踏み込むことも

 今年10~12月に放送され、高視聴率を稼いだ日本テレビ系ドラマ「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」。石原さとみ演じる〝コーエツ〟こと河野悦子が出版社で奮闘する姿を描いたストーリーで、一躍注目を浴びたのが「校閲(こうえつ)」という仕事だ。本や雑誌の制作過程で原稿の誤字・脱字や、内容の誤りを細かくチェックする作業は地味だけど、メチャクチャ大切な仕事。新聞社の「校閲」も、少しばかり紹介します。

 「電気がつくのも、電車が走っているのも、私たちの見えないところで事故が起きないように点検している人がいるから。私たち校閲もそんな当たり前を作る仕事をしています」

 ヒロインがドラマの中で切々と語るセリフに、一視聴者(一読者?)としてだけでなく、記事を書く側の立場からもナットク! 当然ながら、同じ思いを新聞社のベテラン校閲マンも抱いているようだ。

 「ドラマは校閲という仕事に光を当ててくれた。文章の事実確認に立ち向かうヒロインのひたむきさには頭が下がる。ただ、新聞はその日のうちに制作しなければならないのでドラマのように現場を訪れてチェックすることはないけれど」。そう説明するのは東奥日報社編集局校閲部長の佐々木守人さん(56)。番組開始直後の10月、通信社や新聞社四十数社の校閲・用語担当者が集まった会議でも「面白い」と話題になったという。

 東奥日報の校閲部員は、男性社員3人と、派遣職員の男性1人、女性2人の計6人体制。取材記者が執筆した原稿は、数行から200行超までと長短あるが、1人で200本に目を通さなければならない時も。さらに見出しが付き、レイアウトされた各ページの大刷りをチェックし、刷り上がった直後の新聞にもきっちり目を通す。

 校閲マンの〝三種の神器〟は「赤ペン(鉛筆)」「記者ハンドブック」「辞書・辞典類」。赤ペンは、原稿に訂正を書き込む時に使われ、俗に「朱(しゅ)を入れる」。ハンドブックは、用字用語や記事のフォーム、紛らわしい地名や会社名、法令関連用語などが載り、書店で購入できるブックもある。校閲マンに限らず新聞社に関わる人のバイブルだ。

 東奥日報では今冬、社内見学コースに校閲部を追加した。ドラマを見た子どもたちから「校閲の仕事が見たい」と要望があったため。「原稿にある文字の間違いを探して直す校閲の作業はとても大変そうだった」(小5女子)。子どもたちの熱視線に、校閲マンの朱書きも俄(が)然、力強さが増した⁉

 「家で新聞や本を読んでいても、つい朱を入れたり、テレビの文字や字幕に間違いを探してしまう。職業病かな」と笑う佐々木さん。「いくら良い記事でも、誤字や事実関係に誤りがあれば、商品価値はない。たとえ原稿に朱が入っていなくても、そこには見えない朱があると、自負心を持っている。マイナーで地味な作業だが、やればやるほど引き込まれる魅力や奥深さがある」

 テレビ局のみなさん、今度は、地方新聞社を舞台に熱いプライドを持った「校閲オジサン」たちが奮闘するスピンオフ的ドラマなんていかが?(蜜)

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