2003年12月4日(木) 東奥日報 特集

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■ 往年の宝塚スターが一堂に/迫力の舞台「シンデレラ」

 来年九十周年を迎える宝塚歌劇団。同歌劇団の出身者は総計三千五百人に上る。OGの多くは「戻れるものなら戻りたい」と口をそろえる。一九七○年代、男役スターとして一世を風靡(ふうび)した鳳蘭さんは「OGだけの劇団をつくってほしい。そしたらすぐ入団する」と真顔で話す。

 ▽願いが現実に

 そんなOGたちの願いが、つかの間現実となったミュージカル「シンデレラ」(十五日まで大阪・梅田コマで上演中)。現役タカラジェンヌのシンデレラと王子以外は、全キャストがOGという珍しい舞台だ。五十歳を過ぎたOGもいるが、ほとんどの出演者は容ぼうも体形も美声も見事に維持していて、すさまじい迫力で客席を圧倒する。

 一時代を画したスターが一堂に会している点も特筆。王様役の榛名由梨さんは「ベルサイユのばら」初代オスカル。女王役の初風諄さんは、同作の初代マリー・アントワネット。さらに継母役の瀬戸内美八さん、義理の姉妹役の峰さを理さん、高汐巴さんと、主要キャストは宝塚の歴史をけん引してきたトップ経験者ばかり。

 「出演依頼の電話で、みんな自分がシンデレラ役と思ったそうです」(鳳さん)も、冗談と笑いとばせないのだ。

 ▽同窓会の雰囲気

 五十代の母に二十代の娘、四十代女性の集団…。先月三十日の舞台初日、客席は“老若女女”で埋まった。鳳さんふんする妖精の女王がぶらんこに腰掛けて登場するプロローグから、観客はうっとりとした表情。舞台上も客席も、同窓会を思わせる親密な雰囲気だ。

 見事な“男ぶり”で「人妻殺し」とも呼ばれた鳳さんのダイナミックな歌声とダンス、一糸乱れぬ品の良い群舞は、何もかも忘れてしまうような、突き抜けた楽しさにあふれる。圧巻だったのは初風さんの澄み切ったソプラノ。退団後主婦となり、長く舞台を離れていたブランクを感じさせない。

 現役時代、栄光をつかんだ人も、そうでなかった人も、同じように愛し続けているところが宝塚のすごい点だ。それは恐らく、彼女たちが青春のひのき舞台で、思う存分力を出し尽くしたからなのだろう。

 OGの才能と、比類なき団結力を有効活用するには、鳳さんの言うようにOG劇団をつくるしかないのかもしれない。ただ「居心地が良すぎて、団員が増える一方で、収拾がつかなくなるかも」(鳳さん)という心配があるが…。



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