2003年12月12日(金) 東奥日報 特集

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■ 日本人の心情描き続け/「水戸黄門」が放送千回

 TBS系人気時代劇「水戸黄門」が十五日で放送千回を迎える。テレビの週一回の連続ドラマとしては初めて。「ワンパターン」「予定調和」と言われながらも三十四年。勧善懲悪を基本に、日本人の心情を描き続ける長寿番組だ。

 ▽ホームドラマ

 「水戸黄門」は一九六九年八月放送開始。今月八日に終了した第三十二部までに、黄門役は初代の東野英治郎さんから、西村晃さん、佐野浅夫さん、石坂浩二さん、現在の里見浩太朗さんと代わった。

 「すさんだ世相を見ても分かるように、本来の日本人の心の持ちようが忘れられている」と嘆く里見さんは「親を敬い兄弟仲良く、師弟関係をきちっとする日本人の心が、このドラマに込められている」と話す。

 「時代劇の形をとっているがホームドラマ」(里見さん)というように、時代劇を親しみやすくし、善悪もはっきり。番組終盤に印籠(いんろう)をかざしたり、悪人をやっつける殺陣の場面は特に人気が高い。

 江戸時代から現代まで、講談などで語り継がれ、映画にもなった「水戸黄門」。テレビ版を支えてきたのは、うっかり八兵衛など黄門を取り巻くキャラクター設定の多彩さ。そして由美かおるさんの入浴シーンなど、本筋とは必ずしも関係ないが「待ってました」と視聴者が乗り出す”お約束“の数々だ。

 ▽工夫重ねて

 制作にあたるプロダクションCALの中尾幸男チーフプロデューサーは「実在の黄門に、みんながいろんな工夫を重ねてきた結果」と、テレビでの千回が長年の文化の蓄積の上にあると強調。

 由美さんは黄門ドラマを「大いなるマンネリ」と呼ぶ。しかし「ふたつとして同じものはない」とも。「月や太陽みたいに、同じようでも少しずつ変化している。いつも初めてのような新鮮な感覚がある」

 十五日は千回スペシャル。森繁久弥さんや森光子さんら豪華ゲストを招き三時間にわたって放送。高橋元太郎さんの、うっかり八兵衛が復活するほか、過去に黄門や格さんらを演じた俳優が別の役で登場し、ファンを楽しませる。

 来春には第三十三部がスタート。中尾プロデューサーは「日本人が大事にしてきたものを、もう要らないと思われたら『水戸黄門』も消えていくかもしれない。でも時代劇の将来を悲観してはいません」と語っている。




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