2003年12月22日(月) 東奥日報 特集

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■ 保険なし渡航に注意を/外務省「医療費けた違い」

 年末年始の海外旅行シーズンを迎えたが、世界各地でテロが頻発、日本人もいつトラブルに巻き込まれるかもしれない。不測の事態に遭遇した際、役に立つのが海外旅行保険だが、保険を掛け忘れて泣きを見る旅行者も多く、外務省の邦人保護担当者が注意を呼び掛けている。

 ▽搬送に一千万円

 外務省の海外邦人援護統計によると、外国に昨年、渡航した約一千六百万人のうちトラブルに遭い、大使館や領事館といった在外公館に助けられた日本人は約一万七千人に上った。

 海外の医療事情は日本と大きく異なる。先進国の一日当たりの入院費は、パリで約五万円、米国の集中治療室(ICU)では百万円近い。さらに航空機で搬送するようなケースでは費用も多額になる。

 インドネシア・バリ島で昨年十月、二百人以上が死亡した爆弾テロ。重いやけどを負った神奈川県の姉妹は、医療施設が整うシンガポールに緊急輸送するため、看護師付きの航空機をチャーターしたが、搬送だけで約一千百万円かかった。

 エジプトで今年十一月に起きたバス横転事故で骨折し、ストレッチャーで帰国したツアー客は、旅行会社の保険で費用をカバーしたが、航空機での移送に約二百万円必要だった。

 ▽風呂あふれ数千万円

 マニラやバンコクでは、強盗やスリに遭う旅行者が後を絶たない。旅行保険はこうしたケースの治療費や物品の損害賠償のほか、家族が迎えに出向く費用も支払われる。

 最近多いのは不慣れな洋式の風呂で湯をあふれさせ、ホテルに被害を与えるケース。階下にあるオフィスの精密機器を壊し、損害が数千万円に上ることもあるという。

 業界最大手「東京海上火災保険」(東京)のサポートデスクは、助けを求める世界中からの連絡を受け付ける電話窓口で、年間約二万件のコールがある。

 病院や緊急帰国の手配もすべてコントロールし、担当者は「約款をすべて熟知し、日本語で相談にのる応対が好評です」とPR。保険は各種補償がセットになり、六―八日の旅行で四千―一万円程度。保険付きのクレジットカードもあるが、限度額が設定してあり、出発前に確認が必要だ。

 外務省でも今年、赴任中の急病で、緊急移送に約一千万円かかった職員がいた。省の保険では半額しか賄えず、残りは個人負担になり「出張の際は保険を忘れずに」との通知が出た。

 外務省幹部は「在外公館でできる邦人の手助けにも限界があります。特にお金の面は…。自分の身は自分で守る心構えを」と話している。




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